ターム 2:さくらインターネットのサービス
本資料はさくらインターネット株式会社の公式オンライン教材 202602(シラバス v2.0、CC BY-SA 4.0)を元に作成・再構成しています。詳細は NOTICE を参照してください。
このタームのゴール:さくらインターネットの主要サービス群の「全体像・特徴・どの場面で使うか」を把握する。製品仕様の細部より「カテゴリ分けと位置づけ」を頭に入れる方が試験対策上は効く。
このタームの中項目:
さくらサービス全体マップ
サービスを「マネージドの度合い × 物理 / 仮想 / コンテナ」で整理:
| 抽象度 | 仮想(IaaS) | 仮想(PaaS) | 物理 |
|---|---|---|---|
| 汎用コンピューティング | さくらのクラウド / さくらの VPS | AppRun | 専用サーバ PHY、ハウジング |
| GPU | 高火力 VRT | 高火力 DOK | 高火力 PHY |
| Web ホスティング | - | レンタルサーバ | - |
| CDN / 配信 | さくらのウェブアクセラレータ(公式 SCB2 v2.0 p.15 では「大規模ウェブサービスを高速処理」「サーバに代わり大量のアクセスを処理でき、突発的なアクセス集中にも耐えられる」と記述。一般には CDN / キャッシュ系サービスとして知られる) | - | - |
TIP
GCP としては:GCP は Compute Engine(IaaS)、Cloud Run / App Engine(PaaS)、Bare Metal Solution(物理)という構成。Sakura はさらに「IaaS でも複数プロダクト」「物理サービスのラインナップが厚い」のが特徴。
2.1 クラウドインフラストラクチャー
学習目標:
- さくらのクラウドの全体像と特徴を把握し、どのような価値を提供するのか理解する
- さくらのクラウドの基本機能を理解する
- さくらの VPS の全体像と特徴を把握し、どのような価値を提供するのか理解する
- さくらの VPS の基本機能を理解する
キーワード:クラウド、VPS、高火力 DOK、高火力 VRT、AppRun
このセクションは複数の独立した製品をカバーする:
2.1.A さくらのクラウド
概要
さくらインターネットが提供する IaaS 型のパブリッククラウド。仮想サーバ・ストレージ・ネットワーク・各種アプライアンスを API / コンソール / Terraform で構築できる。本検定の主役。
サービス開始:2011 年 11 月(公式仕様、v2.0 教材より)
パブリッククラウドの 5 つの特長(NIST 定義、v2.0 教材より、試験頻出)
さくらのクラウドのパブリッククラウド基盤は以下の特長を備えている:
| 特長 | 内容 |
|---|---|
| オンデマンド・セルフサービス | 利用者が必要なときに自分でリソースを払い出せる |
| 幅広いネットワークアクセス | インターネット経由で標準的なプロトコルからアクセス可能 |
| リソースの共用 | 物理リソースを複数の利用者が共有しつつ論理的に分離 |
| スピーディな拡張性 | 必要に応じて短時間で増減できる |
| サービスが計測可能 | 利用量を計測し、その分のみ課金 |
IMPORTANT
試験頻出:「VPS は仮想化技術を使うがパブリッククラウドの 5 特性を満たさない」が引っ掛けポイント。5 特長は全体として、従来 VPS との対比で意味を持つ(公式 SCB2 p.9 の 5 特長と p.20-21 の VPS との対比を併記するのみで、どれが個別の差別化要素かは指定していない)。
さくらのクラウド独自の特長(v2.0 教材より)
一般的なパブリッククラウドが備える 5 特長に加えて:
- 費用の最小化
- データ転送量による従量課金なし(GCP / AWS との大きな差別化要素)
- サーバやストレージなどのリソースは、利用時間にあわせて一番安い料金が自動適用(時間割 / 日割 / 月額の比較)
- 国内 2 カ所のリージョンを使い分け:物理的に離れた場所(東京 / 石狩)を使い分けることができる
- 直感的な操作ができるコントロールパネル
- IaC を実現する API(Terraform for さくらのクラウド)
- さくらのクラウドの他サービスとの連携(VPS / 専用サーバ PHY / ハウジング等)
WARNING
試験頻出の引っ掛け:「データ転送量で課金される」は誤り(公式 SCB2 p.10 は無条件で「データ転送量による従量課金なし」と明記)。
※公式 Web 補足:オブジェクトストレージ等は例外あり(個別のサービス仕様を参照)。
ゾーン構成(公式 SCB2 p.10 + 公式 Web 補足)
| ゾーン | 拠点 | 備考 |
|---|---|---|
| 石狩第 1 ゾーン | 石狩データセンター | 公式 SCB2 p.10 記載 |
| 石狩第 2 ゾーン | 石狩データセンター | 公式 SCB2 p.10 記載、第 1 ゾーンとは独立した障害分離 |
| 石狩第 3 ゾーン | 石狩データセンター | 公式 SCB2 p.10 記載 |
| 東京第 1 ゾーン | 東京データセンター | 公式 SCB2 p.10 記載、首都圏低レイテンシ用途 |
| 東京第 2 ゾーン | 東京データセンター | 公式 SCB2 p.10 記載、第 1 ゾーンとは独立した障害分離 |
| Sandbox ゾーン ※ | テスト用ゾーン | ※ 公式 SCB2 v2.0 PDF 記載なし(公式 Web manual.sakura.ad.jp 由来)。コントロールパネル / API の操作確認用。サーバ・ディスク・アーカイブ・ISO 等のリソースは作成可能だが、本来の機能としては動作しない(ログイン / 性能試験 / VNC / インターネット接続不可、ブリッジ接続は作成不可、ディスク暗号化機能・バックアップ機能も動作しない)。課金は発生しない。本番リージョン(石狩 / 東京)とは別扱い |
IMPORTANT
公式定義(SCB2 p.10):ゾーンはリージョン内のネットワーク管理単位であり、各ゾーンは物理的に独立している。可用性を高める場合は同一拠点(石狩 / 東京)内の複数ゾーン、または石狩・東京間にまたがる構成を組む。
NOTE
Sandbox ゾーン(公式 Web):本番ゾーンとは独立したテスト用ゾーンで、コントロールパネルや API の操作確認用。サーバ・ディスク・アーカイブ・ISO イメージ等のリソースは作成操作自体は可能だが、作成されたリソースは本来の機能として動作しない(サーバへのログイン不可・性能試験不可・FTP/FTPS 不可・VNC コンソール不可・インターネット接続不可・ディスク暗号化機能不可・バックアップ機能不可)。ブリッジ接続のみ作成不可。料金表ではサービス用ゾーンと同様に表示されるが、実際には課金されない。出典:https://manual.sakura.ad.jp/cloud/support/region-zone.html / https://manual.sakura.ad.jp/cloud/server/sandbox.html
NOTE
ゾーン内ネットワーク(公式 SCB2 p.10 のリージョン図に図示されたスイッチ A/B/C 構成):各ゾーン内は スイッチ A / スイッチ B / スイッチ C といった複数スイッチ構成で内部ネットワークを構成している。ユーザは「スイッチ」「ルータ+スイッチ」リソースを払い出して、これらの物理ネットワーク上に論理ネットワークを組み上げる。
特徴と価値
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 国内データセンター | 石狩・東京などの国内 DC で運用、データ主権と低レイテンシが利点 |
| 時間 / 日 / 月 課金 | 短期検証から長期運用までコスト最適化しやすい |
| 多彩なアプライアンス | ロードバランサ・データベース・NFS 等をクリックで追加 |
| API + usacloud + Terraform | 自動化基盤が充実 |
| マーケットプレイス | 動作検証済みの第三者製品(公式 SCB2 p.41 の 4 区分:セキュリティサービス / バックアップサービス / 監視サービス / その他・アプリケーション)を提供、ライセンス自動課金 |
主な構成要素(公式 SCB2 v2.0 p.13-14、ターム 3 で詳細)
サーバ/ディスク:
- サーバ(仮想マシン)/ディスク(標準 / SSD / 専有)
- 高火力 VRT(GPU)プラン(VM 型 GPU クラウド)
- アーカイブ・ISO イメージ・スタートアップスクリプト
ネットワーク(公式 SCB2 p.13):
- スイッチ・ルータ+スイッチ
- VPN ルータ機能
- ブリッジ接続(ゾーン間接続)
- ハウジングや専用サーバとも連携(ハイブリッド接続はサービス間接続カテゴリで後述)
負荷分散(公式 SCB2 p.13 の分類):
- ロードバランサ/冗長構成ロードバランサ
- ハイスペックプラン(※高負荷向けロードバランサのハイスペック構成。公式 v2.0 教材では負荷分散欄に分類)
- GSLB(広域負荷分散)/エンハンスドロードバランサ
インターフェース(公式 SCB2 p.13):
- コントロールパネル/コントロールパネル(英語版)/さくらのクラウド API
オプションサービス(公式 SCB2 p.13、※「サービス」末尾付き):
- DNS(公式 p.13 表記は「DNS」、p.37 で「DNS アプライアンス」表記)/シンプル監視/オブジェクトストレージ
- データベースアプライアンス
- クラウド型メール配信サービス/さくらのウェブアクセラレータ(公式 SCB2 v2.0 p.15「大規模ウェブサービスを高速処理」)
- ※ NFS アプライアンスは公式 SCB2 p.13 のオプション一覧には記載なし(Term 3 のリソース一覧で扱われる)
v2.0 で拡充されたアプライアンス群(公式 SCB2 p.14):
- シンプル MQ(非同期通信を行うメッセージキュー)
- シンプル通知(メールや Webhook で通知を送信)
- EventBus(イベント検知とジョブ実行を統合)
- シークレットマネージャ(シークレット情報を安全に管理)
- KMS(暗号鍵のライフサイクルを管理)
- API ゲートウェイ(API のルーティングや認証を管理)
- NoSQL(高可用性の Cassandra 互換 DB サービス)
- クラウド HSM(クラウド上で HSM リソースを提供)
- モニタリングスイート(多環境を一元監視・可視化するツール)
- Workflows(YAML で定義するワークフロー実行基盤)
- マイグレーションサービス(移行を支援するツール)
- サービス・ウェブサイトの稼働情報(公式 SCB2 p.14 の正式表記。各サービスの稼働状況を表示する機能)
TIP
GCP としては:Compute Engine + VPC + Cloud SQL + Cloud Storage + Cloud Load Balancing に加え、Pub/Sub(シンプル MQ)/ Cloud KMS(KMS)/ Cloud HSM(クラウド HSM)/ Secret Manager(シークレットマネージャ)/ API Gateway/ Workflows/ Eventarc(EventBus)等が「ワンストップで提供される IaaS+α」と捉えると全体像が掴みやすい。
セキュリティ/アクセス制御/サービス間接続(公式 SCB2 p.13)
さくらのクラウドはコンピュート要素以外に、セキュリティ・アクセス制御・サービス間接続の機能を備えている:
| 領域 | 機能 |
|---|---|
| セキュリティ | インターネット VPN/ファイアウォール機能/SSL 証明書/改ざん通知/WAF |
| アクセス制御 | コントロールパネルの 2 要素認証/同 ユーザ・プロジェクト機能/同 ユーザごとのアクセスレベル(公式 SCB2 p.13 では 3 機能とも「コントロールパネルの〜」が前置) |
| サービス間接続 | ブリッジ接続/ハイブリッド接続/プライベートリンク |
IMPORTANT
2 要素認証・ユーザ・プロジェクト機能・アクセスレベルはコントロールパネルの基本機能。プライベートリンクはサービス間接続の選択肢として登場するキーワード。
2.1.B さくらの VPS
概要
VPS(Virtual Private Server) = 仮想専用サーバ。1 台の仮想サーバを契約して使うシンプルなホスティングサービス。さくらのクラウドより料金体系が単純(月額または年額の定額制)で、個人開発者・小規模 Web サイト向け。
IMPORTANT
責任分界モデル:VPS は「仮想サーバを利用するサービス」であり、ミドルウェアやアプリケーションは利用者が自己管理する。OS の設定・パッチ適用、ミドルウェア(Web サーバ・DB・言語ランタイム)の導入と運用は利用者責任。事業者側は物理基盤と仮想化レイヤを担当する。
さくらのクラウドとの違い
| 観点 | さくらのクラウド | さくらの VPS |
|---|---|---|
| 料金体系 | 時間割・日割・月額の従量 | **月額(1 ヶ月毎)または年額(1 年毎)**の定額制(時間割・日割なし) |
| 構成変更 | API / Terraform で柔軟 | 主にコンソール、固定プラン |
| ネットワーク機能 | アプライアンス群(ロードバランサ・DNS・NFS・GSLB 等)が豊富 | クラウドほどのアプライアンス群はないが、スイッチ・ローカルネットワーク接続・パケットフィルター・IPv6 有効化・ハイブリッド接続等は利用可能 |
| クラウドのような スケールアウト | 可能(負荷に応じてサーバを増減、公式 SCB2 p.15 図中の負荷分散記述に基づく) | 不可(公式 SCB2 p.20「クラウドのようなスケールアウトはできない」) |
| スケールアップ | 可能 | コントロールパネル上から簡単に可能(公式 SCB2 p.20) |
| 利用想定 | エンタープライズ / IaC 前提 | 個人〜小規模・学習・趣味 |
NOTE
VPS の料金体系(公式 Web https://vps.sakura.ad.jp/specification/ ):月額(1 ヶ月毎)または年額(1 年毎)の定額制で、時間割・日割の提供はない。12 ヶ月一括契約で月額 1 ヶ月分相当の割引あり。さくらのクラウド(IaaS コア)は時間割・日割・月額の従量課金で、料金モデルが大きく異なる点に注意。
IMPORTANT
試験では「VPS と さくらのクラウドの違い」が問われやすい。
- VPS = シンプル定額 / クラウド = 柔軟従量 と覚える
- VPS は仮想化技術を使うが「クラウドの要件」(NIST 定義の 5 特徴)は満たさない点が試験での引っ掛けポイント
- VPS でも LAN 間接続は可能、ネットワーク設定に特殊な仕様はない
パブリッククラウドと VPS の物理障害時の挙動(v2.0 教材より、試験頻出)
公式 SCB2 p.21 の対比見出し:VPS = 「仮想化技術を使うがクラウドの要件を満たさない」 / パブリッククラウド = 「クラウドの要件を満たし、可用性が大きい」。
| サービス | 公式 p.21 見出し | 物理サーバ障害時の挙動 |
|---|---|---|
| VPS | 仮想化技術を使うがクラウドの要件を満たさない | 仮想サーバを動かす物理サーバに障害が発生すると、その上で動いている仮想サーバも停止する |
| パブリッククラウドの仮想サーバ(さくらのクラウド) | クラウドの要件を満たし、可用性が大きい | 物理サーバに障害が発生しても、正常な物理サーバ上でただちに復帰できる |
WARNING
試験頻出の引っ掛け:VPS の「仮想化技術」をクラウドと同等に捉えると誤答する。VPS はホスト冗長化が前提でないため、物理障害時に仮想サーバが停止する。これが「VPS はクラウド要件を満たさない」具体的な根拠の一つ。
2.1.C 高火力 DOK
概要
コンテナー型 GPU クラウドサービス(※ 公式 SCB2 v2.0 PDF には提供開始日の記載なし。提供開始時期の出典は公式 web 等の外部情報)。Docker イメージをクラウドにサブミットして GPU 上で実行する。AI 推論・学習バッチ・モデル評価などに向く。※公式 Web https://ai.sakura.ad.jp/gpu/ の表現は「コンテナー型 GPU クラウドサービス」であり、「サーバレス」の語は明示なし(業界一般語)。
2.1.D 高火力 VRT
概要
VM(仮想マシン)型の GPU クラウドサービス(公式 SCB2 p.18:「さくらのクラウドとシームレスに接続」。※公式 Web https://ai.sakura.ad.jp/gpu/ では「『さくらのクラウド』と組み合わせて利用できる」という表現で、「シームレス」の語は明示なし)。さくらのクラウド配下で GPU 付き仮想サーバを払い出して利用する。中長期で AI 開発環境・3D レンダリング・科学技術計算を VM ベースで実行したい用途。
提供 GPU 型番・正式版提供時期の詳細は公式 Web(高火力サービスサイト)を参照。教材 SCB2 v2.0 では型番・時期の明示はない。
高火力シリーズの提供形態(公式 SCB2 p.17-18, p.33)
| サービス | 提供形態 | 主用途 |
|---|---|---|
| 高火力 DOK | コンテナ型クラウドサービス(NVIDIA GPU で Docker イメージを実行) | バッチ推論 / 短時間学習 |
| 高火力 VRT | VM 型の GPU クラウドサービス(さくらのクラウドと組み合わせて利用可能。SCB2 p.18 は「シームレスに接続」表記) | 中長期の VM ベース開発 |
| 高火力 PHY(後述 2.3) | GPU ベアメタルサーバー(NVIDIA H100 / H200 / B200 公式 SCB2 p.33 に明記) | 大規模学習・最大性能 |
IMPORTANT
試験では「DOK = コンテナ / VRT = VM / PHY = 物理」の提供形態の区別が中心。特定の GPU モデル名(H100 / H200 / B200)は世代更新で変動するので、暗記対象は提供形態と用途のマッピング。
NOTE
コラム:「高火力」シリーズの命名 Sakura の GPU 系サービスは「高火力」(こうかりき)でブランド統一。DOK = Docker、VRT = ViRTual(仮想)、PHY = PHYsical(物理)の頭文字。提供形態が名前に埋まっているので、命名を覚えれば違いも自動的に思い出せる。
TIP
GCP としては:高火力 DOK ≒ Cloud Run / Batch + GPU、高火力 VRT ≒ Compute Engine A3(H100)/ G2(L4)等、高火力 PHY ≒ Bare Metal Solution + GPU。
2.1.E AppRun(共用型 / 専有型)
概要
コンテナ化されたアプリケーションを簡単にデプロイし、自動的にスケーリングを行うサービス。OS やランタイムを意識せず、Docker イメージを指定するだけで実行できる。PaaS / CaaS 領域に位置する。
公式では AppRun 共用型 と AppRun 専有型 の 2 形態が提供されている。共用型はマルチテナント基盤でスモールスタート向け、専有型は基盤を専有して安定性・分離性を高めた構成(※ 公式 SCB2 v2.0 PDF には共用/専有の区別なし。以下は公式 web 由来。出典:https://cloud.sakura.ad.jp/products/apprun-shared/ / https://cloud.sakura.ad.jp/products/apprun-dedicated/ )。
特徴
- HTTP リクエストに応じて自動スケール
- 最小スケール 0 設定時はゼロスケール対応(アクセスがない時はインスタンス 0 まで縮退)。ゼロスケール時の初回起動には起動レイテンシが発生するため、最小スケールを 1 以上にすればこのレイテンシを回避できる(※ 公式 SCB2 v2.0 PDF にはコールドスタートの記載なし。公式 Web(apprun-shared)は「アクセスがない時はゼロスケール」とのみ記述し「コールドスタート」の語は明示されていない=業界一般語。出典:https://manual.sakura.ad.jp/cloud/apprun/about.html / https://cloud.sakura.ad.jp/products/apprun-shared/ )
- 利用量ベースの課金
メリット(v2.0 教材より)
| メリット | 内容 |
|---|---|
| インフラ管理からの解放 | 複雑な設定なしで開発環境の構築から運用までの工数を軽減 |
| 開発スピードの向上 | リリースサイクルを短縮し、新しい機能を素早くデプロイ |
| 自動スケーリング | トラフィックに応じて自動でリソースを増減し、効率と安定性を確保 |
| 統一された開発環境 | 本番と開発の環境差をなくし、技術選定の自由度と開発効率を高める |
TIP
GCP としては:Cloud Run と機能・思想がほぼ一致。Docker イメージをデプロイ → 自動スケール → 利用量課金の三点セット。
✅ キーワードチェックリスト(2.1 共通)
- [ ] さくらのクラウドが IaaS、VPS が定額型、AppRun が PaaS / CaaS と整理できる
- [ ] 高火力 DOK / VRT / PHY の使い分けを説明できる
- [ ] さくらのクラウドと さくらの VPS の違いを説明できる
🎯 確認問題
問 1:「Docker イメージを用意するだけでデプロイでき、リクエストに応じてゼロから自動スケールするサービス」に最も近い さくらのサービスはどれか。
- (A) さくらのクラウド
- (B) さくらの VPS
- (C) AppRun
- (D) 高火力 PHY
解答
(C) AppRun。サーバレスコンテナの代表で、Cloud Run と同様の使い心地。
問 2:「学習用に GPU を仮想サーバとして月単位で借りたい」要件に最も合うのはどれか。
- (A) 高火力 DOK
- (B) 高火力 VRT
- (C) 高火力 PHY
- (D) さくらの VPS
解答
(B) 高火力 VRT。仮想型 GPU クラウド。DOK はジョブベース、PHY は物理(短期/学習用には過剰)。
2.2 クラウドアプリケーション
学習目標:
- さくらのレンタルサーバの全体像と特徴を把握し、どのような価値を提供するのか理解する
- さくらのレンタルサーバの基本機能を理解する
キーワード:レンタルサーバ
さくらのレンタルサーバ
概要
共有型のホスティングサービス。1 台の物理サーバを多数の利用者で共有し、Web サイト・メール・データベース機能を低価格で提供する。個人サイト・小規模ビジネス・WordPress ホスティングが主な用途。
VPS / レンタルサーバ / クラウドの位置づけ
| サービス | 抽象度 | 自由度 | 価格 |
|---|---|---|---|
| レンタルサーバ | 高(OS 意識しない) | 低(事業者が決めた構成) | 最安 |
| VPS | 中(root 権限あり) | 中 | 中 |
| さくらのクラウド | 低(自分で全部組む) | 高 | 構成次第 |
2 分類比較(試験頻出)
クラウドインフラストラクチャー(さくらのクラウド・さくらの VPS)/クラウドアプリケーション(さくらのレンタルサーバ)の 2 分類で整理する:
| 項目 | さくらのクラウド(IaaS コア) | さくらの VPS | クラウドアプリケーション(レンタルサーバ) |
|---|---|---|---|
| 管理者権限 | あり | あり | なし(root 不可) |
| コントロールパネル | あり | あり | あり |
| 提供形態 | 専用 | 専用 | 共用 |
| 料金体系 | 時間割・日割または月額(※サービス/オプションによっては異なる) | 月額または年額(時間割・日割なし、12 ヶ月一括で月額 1 ヶ月分相当の割引あり) ※ 公式 SCB2 v2.0 PDF p.26 では『月額料金』とのみ記載。年額・12 ヶ月一括は公式 web から補足 | 月額料金 |
| API | あり | サービス・オプションにより異なる | なし |
IMPORTANT
上記の表組は試験頻出。「API がある/ない」「管理者権限あり/なし」「共用/専用」のマトリクスで覚える。料金体系は さくらのクラウド = 時間割・日割または月額の従量 / さくらの VPS = 月額または年額の定額(公式 Web https://vps.sakura.ad.jp/specification/ )と区別する。
主な機能
ウェブサイト制作・公開:
- クイックインストール(WordPress 等)
- Web フォント
- コンテンツブースト(CDN 機能。※公式 SCB2 は「コンテンツブースト(CDN 機能)」表記のみでプラン別提供範囲は未記載。スタンダードプラン以上で提供(出典:https://rs.sakura.ad.jp/function/ 機能差分表。ライトプランは差分表で同機能の掲載なし))
- バックアップ & ステージング
- ドメイン設定
- MySQL
- モニタリングツール
メール送受信:
- ウェブメール / メーリングリスト
- メール転送 / メール自動返信
- 迷惑メールフィルタ
セキュリティ:
- SSL(Let's Encrypt 連携)
- Web 改ざん通知サービス
- WAF
- 国外 IP アクセスフィルタ
TIP
GCP としては:完全な対応 GCP サービスは無い。Cloud Run + Cloud SQL + Firebase Hosting 等で類似機能を組み立てる必要がある。レンタルサーバは日本固有の業界カテゴリとして理解する。
NOTE
コラム:レンタルサーバの「マネージド度合い」 OS の管理は事業者持ち、利用者は FTP / 管理コンソールでサイトを公開するだけ。SaaS に近い使い心地だが、PHP コードは自由に置けるので PaaS とも言える。NIST 分類では明確に決めにくい中間的存在。
✅ キーワードチェックリスト
- [ ] レンタルサーバが「共有型のシンプルなホスティング」と説明できる
- [ ] レンタルサーバ / VPS / クラウドの自由度と価格の関係を説明できる
2.3 物理基盤サービス
学習目標:
- ハウジングサービスの全体像と特徴を把握し、どのような価値を提供するのか理解する
- ハウジングサービスの基本仕様を理解する
- さくらの専用サーバ PHY と高火力 PHY の全体像と特徴を把握し、どのような価値を提供するのか理解する
- さくらの専用サーバ PHY と高火力 PHY の基本機能を理解する
キーワード:ハウジング、専用サーバ、高火力 PHY
2.3.A ハウジングサービス
概要
「お客さま所有の機器をデータセンターに設置・運用代行する」サービス。サーバはお客さま購入、データセンターのスペース・電力・回線を借りる。
提供単位
※ 公式 SCB2 v2.0 PDF p.31 には提供単位の区分明記なし。また公式 Web https://datacenter.sakura.ad.jp/ のトップにも提供単位の明示は無く、以下は datacenter.sakura.ad.jp 内の個別ページや業界一般のハウジング提供形態を踏まえた整理(一次ソース明示が必要な場合は個別 DC ページを参照のこと)。
| 単位 | 内容 |
|---|---|
| ラックハウジング | 19 インチラック単位で貸し出し |
| ケージハウジング | 複数ラックを物理的に囲い込んだ専有エリア |
| データセンタ単位 | フロア / 区画単位の大型契約 |
提供拠点(公式 SCB2 p.31 のセンター名 + 公式 Web 補足)
※ 公式 SCB2 p.31 にはデータセンター名のみ列挙(入局可能 / 回線選択可能)。立地住所・特徴は公式 Web
datacenter.sakura.ad.jpベースの補足。
| 拠点(公式 SCB2 p.31) | 立地(公式 Web) | 特徴(公式 Web) |
|---|---|---|
| 石狩データセンター | 北海道石狩市 | 外気冷却・大規模・寒冷地立地(公式表現:日本最大級の郊外型データセンター・分棟式) |
| 東新宿データセンター | 東京都新宿区 | 都心アクセス |
| 西新宿データセンター | 東京都新宿区 | 都心アクセス |
| 代官山データセンター | 東京都渋谷区 | 都心アクセス |
| 堂島データセンター | 大阪市北区 | 関西圏拠点(公式表現:都心部に位置・公共交通アクセス良好) |
ハウジング共通の特徴(公式 SCB2 p.31)
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 入局可能 | お客さまが直接データセンターに入局して機器をメンテナンスできる |
| 回線選択可能 | ハウジング契約で利用する回線(インターネット・専用線等)を選択できる |
TIP
ハウジングは都心 / 関西 / 寒冷地の選択肢があり、立地と運用要件(顧客対応・電力コスト・DR)で使い分ける。入局可能・回線選択可能の 2 点は「お客さま所有機器の運用代行」というハウジング本来の自由度を象徴する特徴。
こんなときに使う
- 既存のサーバ資産を活用したい
- 厳しい規制業界で物理的な専有が必要
- 特殊なハードウェア(独自設計機器など)を運用する
WARNING
ハウジングは「機器持ち込み」、専用サーバは「機器込みレンタル」。混同に注意。
2.3.B さくらの専用サーバ PHY
概要
クラウドの使い勝手を備えた専用ホスティングサービス。物理サーバを 1 台丸ごとレンタルし、お客さまは機器購入不要で、サーバ・電源・回線・データセンター運用を含めて借りられる。
コントロールパネルから操作できる項目(v2.0 教材より)
専用サーバ PHY はコントロールパネルを通して設定や契約が可能。クラウドと同様の使い勝手を持つ:
- 契約の追加(追加サーバの申し込み)
- OS インストール(OS の再インストール)
- ネットワークインターフェースの冗長構成(NIC レベルの冗長化設定)
- ローカルネットワークの構成(さくらのクラウドとのローカル接続)
IMPORTANT
専用サーバ PHY と従来型の物理サーバホスティングの差異は「コントロールパネル + API による操作性」。ハウジングや旧来の物理ホスティングでは、これらは申込書ベースの作業になる。
ハウジングとの違い
| 観点 | ハウジング | 専用サーバ PHY |
|---|---|---|
| 機器の所有 | お客さま | さくら |
| 初期費用 | 機器購入分が必要 | 抑えられる |
| 機器選定 | 自由 | 提供メニュー内 |
| 故障対応 | お客さま | さくら |
こんなときに使う
- 仮想化のオーバーヘッドを避けたい
- ノイジーネイバー問題を回避したい
- 大量のディスク IO / ネットワーク IO を安定して出したい
2.3.C 高火力 PHY
概要
GPU 搭載の物理サーバを 1 台丸ごとレンタルするサービス。AI 学習・推論で最大性能を引き出したいケース向け。
高火力シリーズ位置づけ(再掲)
| サービス | 提供形態 | 用途 |
|---|---|---|
| 高火力 DOK | サーバレスコンテナ | バッチ / 推論ジョブ |
| 高火力 VRT | 仮想サーバ | 中長期の VM 利用 |
| 高火力 PHY | 物理サーバ | 大規模学習・最大性能 |
TIP
GCP としては:Bare Metal Solution + GPU の組み合わせに相当。GPU を仮想化のオーバーヘッドなしで使うニーズに応える。
✅ キーワードチェックリスト(2.3 共通)
- [ ] ハウジング / 専用サーバ / 高火力 PHY の違いを説明できる
- [ ] 「機器の所有がお客さまかさくらか」がハウジングと専用サーバを分けるポイントだと分かる
- [ ] 高火力 PHY が「物理 + GPU」最大性能向きと説明できる
🎯 確認問題
問 1:「自社で購入した特殊な機器をデータセンターの優れた電源・空調・回線を活用して運用したい」要件に最も合うのはどれか。
- (A) ハウジング
- (B) 専用サーバ PHY
- (C) さくらのクラウド
- (D) 高火力 VRT
解答
(A) ハウジング。「自社購入機器の設置」がキーワード。
問 2:仮想化のオーバーヘッドを許容できない大規模 AI 学習を行いたい場合、最も性能が出るサービスはどれか。
- (A) 高火力 DOK
- (B) 高火力 VRT
- (C) 高火力 PHY
- (D) さくらの VPS
解答
(C) 高火力 PHY。物理サーバ専有で最大性能。
2.4 さくらのクラウドの周辺サービス
学習目標:さくらのクラウドの周辺サービス(ドメイン、SSL、ImageFlux、IoT、マーケットプレイス、プレミアムサポートなど)の種類と特徴を把握し、どのようにクラウドと連携して利用されるのか理解する キーワード:ドメイン、SSL、ImageFlux、IoT、マーケットプレイス、プレミアムサポート
周辺サービス一覧
| サービス | 役割 | 連携シーン |
|---|---|---|
| ドメイン | ドメイン名取得・管理 | 新規 Web サービス立ち上げ |
| SSL | SSL/TLS 証明書発行 | HTTPS 化 |
| ImageFlux | 画像変換 / 配信 CDN | レスポンシブ画像配信 |
| IoT | セキュアモバイルコネクト + モノプラットフォームの 2 構成 | センサー / 制御機器運用 |
| マーケットプレイス | 動作検証済みの第三者製品カタログ(公式 SCB2 p.41 の 4 区分:セキュリティサービス / バックアップサービス / 監視サービス / その他・アプリケーション) | クラウド利用と組み合わせて運用機能を強化、ライセンス自動課金 |
| WebSite Scouter | Web + ネットワークの脆弱性診断サービス | 定期的な脆弱性確認、CVSS/CVE 準拠 |
| プレミアムサポート | 専任・優先サポート | エンタープライズ顧客 |
2.4.A ドメイン
ドメイン名の取得・更新・WHOIS 情報管理。さくらインターネット会員 ID と紐付けて管理。
公式 SCB2 p.37 記載の 12 TLD(※区分名は本資料の自作整理。公式教材は種別名なしでフラット 3 行 4 列で列挙。.tokyo は厳密には geoTLD だが本資料では便宜上「汎用(新規)」にまとめた):
| 種別(本資料独自) | TLD |
|---|---|
| 汎用 | .jp / .com / .net / .org |
| 汎用(新規) | .biz / .info / .tokyo / .mobi |
| 属性型 JP | .co.jp / .or.jp / .ne.jp / .gr.jp |
公式 Web 補足(https://domain.sakura.ad.jp/ ):上記 12 種以外にも .site / .work / .xyz / .tv / .ac.jp / .ed.jp / .go.jp 等の TLD に対応。最新一覧は公式 Web を参照。
ネームサーバ運用の 3 方法(公式 SCB2 p.37):
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| ネームサーバ設定 | さくらインターネット既定のネームサーバを利用(コントロールパネル上で設定) |
| DNS アプライアンス | さくらのクラウドの DNS アプライアンスを権威ネームサーバとして運用 |
| 手動運用 | 任意の外部 DNS サーバを指定して運用 |
2.4.B SSL
各種 SSL/TLS 証明書(Let's Encrypt 連携、有償証明書の代行発行)を提供。エンハンスドロードバランサ等のアプライアンスと組み合わせて HTTPS を実現。
公式 SCB2 p.38 のユースケース 4 種:
| ユースケース | 適した証明書グレード |
|---|---|
| EC サイトで決済情報を扱うので信頼性を重視 | EV(拡張認証) |
| 企業サイトで信頼性をアピールしてお客さまに安心を提供 | OV(組織認証) |
| スピード重視で即日発行してほしい | DV(ドメイン認証) |
| 複数のサブドメインを 1 枚の証明書で管理したい | ワイルドカード |
証明書グレードの整理(※公式 SCB2 p.38 はユースケースのみ提示し具体的所要日数を明示せず。下記の発行スピードは業界一般的な目安):
| グレード | 認証範囲 | 発行スピード(目安) |
|---|---|---|
| DV(Domain Validation) | ドメイン所有のみ確認 | 即日〜数時間 |
| OV(Organization Validation) | 組織の実在を確認 | 数日 |
| EV(Extended Validation) | 組織の実在を厳格に確認 | 1〜2 週間 |
| ワイルドカード | 複数サブドメインを 1 枚でカバー(*.example.com) | グレード(DV/OV)に依存 |
IMPORTANT
「信頼性重視 → EV」「即日 → DV」「複数サブドメイン → ワイルドカード」のマッピングは試験で問われやすい。
2.4.C ImageFlux
画像変換・配信エンジン(公式 SCB2 p.39。一般的には画像変換 CDN として理解されている)。リサイズ・トリミング・WebP 変換等を URL パラメータだけで実行できる。レスポンシブ Web デザインのバックエンドで効く。
TIP
GCP としては:Cloud CDN + Imagen API 的な機能の組み合わせ。AWS の CloudFront + Lambda@Edge 画像変換にも近い。
2.4.D IoT
さくらの IoT は公式 SCB2 p.40 で2 サービス構成として整理されている:
| サービス | 役割 |
|---|---|
| さくらのセキュアモバイルコネクト | IoT 向け SIM / モバイル回線サービス。デバイスとクラウド間をセキュアな通信経路で結ぶ |
| さくらのモノプラットフォーム | デバイス〜クラウド連携の統合基盤。データ収集・蓄積・アプリケーション連携をワンストップで提供 |
「SIM(通信)」と「プラットフォーム(クラウド連携基盤)」を組み合わせて、デバイスから安全にデータをクラウドへ送る経路を構築する。
2.4.E マーケットプレイス
さくらのクラウド上で動作検証済みのサードパーティ製品カタログ。
公式 SCB2 p.41 記載の 4 区分(試験対策はこちらを優先):
| カテゴリ | 内容 |
|---|---|
| セキュリティサービス | 脆弱性の脅威・攻撃からサーバを保護し、不正アクセスや情報漏えいに備える |
| バックアップサービス | 複数のバックアップを一括管理でき、さまざまなプランを選べる |
| 監視サービス | ネットワーク・サーバ・アプリケーションの稼働を一元的に監視できる |
| その他・アプリケーション | CMS・データ変換など日頃のサイト運用の手間を軽減する製品 |
補足:公式マニュアル(https://manual.sakura.ad.jp/cloud/marketplace/about.html )記載の 6 区分(教材 SCB2 v2.0 の 4 区分より細粒度):
- バックアップ
- セキュリティ
- ネットワーク(VPN・ロードバランシング等)
- 分析(BI / ETL)
- 監視
- アプリケーションなど
教材 SCB2 v2.0 の 4 区分と粒度が異なる点に注意(試験対策は SCB2 p.41 の 4 区分を優先)。
特徴 2 点:
- 動作検証済み:さくらインターネットがさくらのクラウド上での動作を確認
- ライセンス自動課金:クラウド利用料と一緒にライセンス料金を自動で請求
TIP
GCP としては:Google Cloud Marketplace と機能的に同等。動作検証済みの第三者製品をクラウド利用料と一緒に課金できる仕組み。
2.4.F WebSite Scouter(脆弱性診断サービス)
公式 SCB2 p.42 で紹介される脆弱性診断サービス。Web 管理画面からスケジュール実行が可能:
| 診断種別(公式 SCB2 p.42 表記) | 内容 |
|---|---|
| Web 脆弱性診断サービス | Web サイトのリモート診断、Web 管理画面からのスケジュール実行 |
| ネットワーク診断サービス | ネットワーク・OS・ミドルウェアのリモート診断、CVSS / CVE 準拠、スケジュール実行 |
TIP
定期的な脆弱性チェックを内製化せず、診断サービスとして外出しできる。マーケットプレイスの「セキュリティサービス」とは別カテゴリで提供される。
2.4.G プレミアムサポート
専任のテクニカルサポートやアーキテクチャ相談を提供する有償オプション。エンタープライズ用途の保守体制を強化したい場合に契約。
公式仕様(v2.0 教材より、試験頻出)
| 項目 | プレミアムサポート | スタンダードサポート |
|---|---|---|
| 対象 | プレミアムサポート加入者 | 全クラウド利用者 |
| 電話問い合わせ | フリーコール | コールバック(予約制) |
| メール問い合わせ受付窓口 | さくらのクラウドホーム | 会員メニュー |
| 対応時間 | 24 時間 365 日 | 平日 10:00〜18:00 |
| 月額料金 | 有償(クラウド利用料に応じた階段式、年 2 回の価格見直しあり) | 無償 |
| 初回回答時間:仕様 / コンパネ操作 | 8 時間以内 | 当日または翌営業日中(※) |
| 初回回答時間:障害の確認 | 2 時間以内 | 当日または翌営業日中(※) |
| スタンダードの対象範囲(公式 SCB2 p.43) | (プレミアム加入者は左記 2 項目 + 契約 / 料金の問合わせ) | ※ 仕様 / コンパネ操作・障害の確認・契約 / 料金の問合わせ の 3 項目に対する初回回答時間として一括「当日または翌営業日中」 |
| サポート範囲 | 責任分界点におけるさくらインターネット担当範囲(IaaS なら物理〜仮想化基盤まで) | 同上 |
IMPORTANT
プレミアムサポートの「24h365 / 2h 障害確認 / 8h コンパネ問い合わせ」は試験頻出の数値。スタンダードとの差分(フリーコール vs コールバック予約制)も問われる。
✅ キーワードチェックリスト
- [ ] 周辺サービス 6 種の役割を 1 文ずつ説明できる
- [ ] ImageFlux が画像変換 CDN だと分かる
- [ ] マーケットプレイスが「組み込み済みイメージカタログ」だと説明できる
🎯 確認問題
問 1:レスポンシブデザインで画面サイズ別に最適な画像を配信したい場合、最も効果的なさくらのサービスはどれか。
- (A) さくらの SSL
- (B) ImageFlux
- (C) マーケットプレイス
- (D) プレミアムサポート
解答
(B) ImageFlux。画像変換 + CDN の組み合わせで端末別配信を URL ベースで実現。
問 2:さくらのクラウド利用にあたって、動作検証済みのセキュリティ・バックアップ・監視サービスをクラウド利用料と一緒に契約・課金したい。最も適切な仕組みはどれか。
- (A) さくらの VPS の追加オプション
- (B) ハウジングの追加契約
- (C) マーケットプレイス
- (D) プレミアムサポート
解答
(C)。マーケットプレイスは動作検証済みの第三者製品をライセンス自動課金で利用できる仕組み(公式 SCB2 p.41 の 4 区分:セキュリティサービス / バックアップサービス / 監視サービス / その他・アプリケーション)。
ターム 2 総合確認問題
ターム 2 のサービス全範囲をカバーする追加 20 問。
問 3:さくらのクラウドと さくらの VPS の違いとして正しいものはどれか。
- (A) VPS は時間課金、クラウドは月額固定
- (B) VPS は主に月額料金(プランによる)、クラウドは時間割 / 日割 / 月額の組み合わせ
- (C) どちらも完全同一のサービス
- (D) クラウドは Windows 不可、VPS は Windows 可
解答
(B)。さくらの VPS は月額または年額の定額制(時間割・日割なし、12 ヶ月一括で割引あり。公式 Web https://vps.sakura.ad.jp/specification/ )、さくらのクラウドは時間割・日割または月額の従量課金。両者とも「クラウドインフラストラクチャー」分類だが、料金モデルが明確に異なる。
問 4:AppRun の特徴として正しいものはどれか。
- (A) Docker イメージをデプロイし、リクエストに応じて自動スケールする
- (B) 物理サーバを 1 台丸ごと借りる
- (C) IPSec VPN を終端する
- (D) ドメイン管理を行う
解答
(A)。AppRun はサーバレスコンテナ。Cloud Run と同等の使い心地。
問 5:高火力 DOK の主な提供形態はどれか。
- (A) 物理サーバ
- (B) 仮想サーバ
- (C) コンテナジョブ実行環境
- (D) ハウジング
解答
(C)。DOK は Docker 系のサーバレス GPU ジョブ実行。VRT が仮想サーバ、PHY が物理。
問 6:「特殊な機器を自社で購入したが、データセンターの電源 / 空調 / 回線 / 入退館管理を活用したい」要件に最も合うのはどれか。
- (A) 専用サーバ PHY
- (B) ハウジング
- (C) さくらのクラウド
- (D) AppRun
解答
(B)。ハウジングは利用者所有機器の設置代行。専用サーバは事業者所有機器のレンタル。
問 7:さくらのレンタルサーバの主な利用シーンとして適切なものはどれか。
- (A) 大規模 EC サイトのバックエンド DB
- (B) 個人 / 小規模ビジネスの Web サイト・WordPress ホスティング
- (C) AI モデルの大規模学習
- (D) IPSec VPN 拠点間接続
解答
(B)。レンタルサーバは共有型ホスティングで、個人サイトや小規模ビジネス向け。
問 8:ImageFlux の主な機能はどれか。
- (A) ファイル転送プロトコル
- (B) 動的な画像変換 + CDN 配信
- (C) DNS 権威サーバ
- (D) IoT デバイス管理
解答
(B)。URL パラメータでリサイズ・トリミング・WebP 変換等を実行できる画像変換 CDN。
問 9:マーケットプレイスを利用するメリットとして最も適切なものはどれか。
- (A) ライセンス料が必ず無料になる
- (B) 動作検証済みの第三者製品(公式 SCB2 p.41 の 4 区分:セキュリティサービス / バックアップサービス / 監視サービス / その他・アプリケーション)をクラウド利用料と一緒に契約・自動課金できる
- (C) ハードウェアを物理的に専有できる
- (D) DNS の権威サーバが利用できる
解答
(B)。さくらインターネット側で動作検証済みの第三者製品カタログ。ライセンス料はクラウド利用料と一緒に自動課金される。
問 10:以下のうち「物理基盤サービス」に分類されるものはどれか。
- (A) AppRun
- (B) ImageFlux
- (C) 専用サーバ PHY
- (D) さくらのレンタルサーバ
解答
(C)。物理基盤 = ハウジング / 専用サーバ PHY / 高火力 PHY。AppRun は PaaS、ImageFlux は周辺サービス、レンタルサーバはホスティング。
問 11:「短期間だけ大量の GPU を使いたい / 学習ジョブを並列実行したい」要件に最も合うのはどれか。
- (A) 高火力 DOK
- (B) 高火力 VRT
- (C) 高火力 PHY
- (D) さくらのクラウド標準プラン
解答
(A)。コンテナジョブ実行型はバースト的なバッチ実行に最適。VRT は仮想サーバ常時稼働向き、PHY は大規模長期向き。
問 12:「政府 / 自治体案件で日本国内のデータ主権を確保したい」要件に対して、さくらのクラウドが応えやすい理由として最も適切なものはどれか。
- (A) 海外データセンターのみで運用
- (B) 国内データセンターで運用しており、ISMAP 等の国内基準への対応も視野に入る
- (C) 必ずオンプレ機器とハイブリッド構成になる
- (D) すべての通信が暗号化されない
解答
(B)。国内 DC 運用 + 国内認証への対応が政府案件で評価されやすい。
問 13:プレミアムサポートの主な役割はどれか。
- (A) 無料の標準サポート
- (B) 専任 / 優先のテクニカルサポートとアーキテクチャ相談を提供する有償オプション
- (C) サーバを物理的に専有する機能
- (D) ドメインを取得する機能
解答
(B)。エンタープライズ顧客向けの上位サポート契約。
問 14:さくらの IoT の主な構成として正しいものはどれか。
- (A) サーバ仮想化単独
- (B) さくらのセキュアモバイルコネクト(SIM / モバイル回線) と さくらのモノプラットフォーム(デバイス〜クラウド連携基盤) の 2 サービス構成
- (C) DNS 権威サーバ
- (D) 物理サーバレンタル
解答
(B)。公式 SCB2 p.40 で 2 サービス構成として整理されている。SIM 側(セキュアモバイルコネクト)とクラウド連携基盤側(モノプラットフォーム)の組み合わせ。
問 15:「Linux サーバの root 権限が必要で、かつ将来的にロードバランサやデータベースアプライアンスを組み合わせて構成を拡張する可能性がある」場合に最も適切なサービスはどれか。
- (A) さくらのレンタルサーバ
- (B) さくらの VPS
- (C) さくらのクラウド
- (D) AppRun
解答
(C) さくらのクラウド。引っ掛けポイント:VPS も root 権限はあるが、LB やデータベースアプライアンス等の周辺アプライアンスとの柔軟な接続・拡張は「さくらのクラウド」の領域。レンタルサーバは root 権限なし、AppRun は OS を意識しない PaaS なので「root 権限」「アプライアンス組合せ」の両方に合わない。
問 15b:「短期間(1 週間程度)の検証で root 権限の Linux サーバが 1 台だけ欲しい」用途に最も適すのはどれか。
- (A) さくらのレンタルサーバ
- (B) さくらの VPS
- (C) 高火力 PHY
- (D) ハウジング
解答
(B) VPS。root 権限 + シンプル料金で短期検証に向く。レンタルサーバは root 権限なし、高火力 PHY とハウジングは短期検証としてはオーバースペック・オーバーコスト。
問 16:「複数の Web サーバから同一の画像ファイルを参照するために、ファイル共有が必要」要件に対して、さくらのクラウドで最も適切なリソースはどれか。
- (A) パケットフィルタ
- (B) NFS アプライアンス
- (C) DNS アプライアンス
- (D) ロードバランサ
解答
(B)。NFS アプライアンスは複数サーバから同一ファイルシステムをマウントできる。なお、静的画像なら ImageFlux / オブジェクトストレージで代替する選択もある。
問 17:「無制限に近い容量で静的コンテンツ(画像 / ログ)を低単価で保管したい」要件に最も合うのはどれか。
- (A) ディスク(SSD)
- (B) 専有ストレージ
- (C) オブジェクトストレージ
- (D) アーカイブ
解答
(C) オブジェクトストレージ。容量無制限・単価安・HTTP API でアクセス。
問 18:周辺サービスの「ドメイン」を契約するシーンとして適切なものはどれか。
- (A) 新規 Web サービスの公開で独自ドメインを取得・運用したい
- (B) 仮想サーバの CPU を増やしたい
- (C) ハウジングのラックを契約したい
- (D) GPU 学習を実行したい
解答
(A)。ドメインサービスは取得 / 更新 / WHOIS 管理を担う。
問 19:「SSL 証明書の取得 + Web サーバ前段で HTTPS 化する」シンプル構成として最も典型的なのはどれか。
- (A) さくらの SSL + エンハンスドロードバランサ
- (B) ハウジング + IPSec
- (C) さくらの IoT + ImageFlux
- (D) 高火力 PHY + DNS アプライアンス
解答
(A)。SSL でドメインの証明書を発行し、エンハンスドロードバランサで終端する組み合わせが定番。
問 20:さくらのクラウドが「IaaS」に分類される理由として最も適切なものはどれか。
- (A) すべての OS とミドルがマネージドだから
- (B) 仮想サーバ・ストレージ・ネットワークを部品として提供し、利用者が OS 以上を管理するから
- (C) アプリ自体を提供しているから
- (D) GUI でアプリを操作するだけだから
解答
(B)。IaaS の定義そのもの。OS 以上の管理が利用者の責任範囲。
問 21:以下のうち、AppRun がカバーしない領域はどれか。
- (A) Docker コンテナの実行
- (B) リクエスト応じた自動スケール
- (C) 物理サーバの専有レンタル
- (D) ステートレスな HTTP サービス
解答
(C)。AppRun はサーバレスコンテナ。物理専有は高火力 PHY 等の物理基盤サービスの領域。
問 22:さくらの周辺サービスのうち、「画像配信パフォーマンスの最適化」に直結するのはどれか。
- (A) ドメイン
- (B) SSL
- (C) ImageFlux
- (D) プレミアムサポート
解答
(C) ImageFlux。動的変換 + CDN 配信で転送量と帯域を削減。
ターム 2 全体まとめ
- さくらのサービスは 仮想 IaaS / 仮想 PaaS / 物理 で立体的に展開
- コンピュート系:さくらのクラウド(IaaS)/ VPS(定額)/ AppRun(PaaS)/ 高火力 DOK・VRT・PHY(GPU)
- ホスティング系:レンタルサーバ
- 物理基盤:ハウジング(持ち込み)/ 専用サーバ PHY(レンタル)
- 周辺:ドメイン / SSL / ImageFlux / IoT(セキュアモバイルコネクト + モノプラットフォーム)/ マーケットプレイス / WebSite Scouter / プレミアムサポート
次は ターム 3 でさくらのクラウドの設計(システム構成・セキュリティ・可用性・コスト)に踏み込む。